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古伊万里 染付 松竹梅文様 輪花形 六寸皿 10枚

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染付松竹梅文様輪花形六寸皿10枚


古伊万里 染付松竹梅文「志ゆんかん皿」― 文政10年箱書

文政10年(1827年)の年紀を持つ木箱に、**「志ゆんかん皿」**と記された古伊万里の染付皿です。

直径約18.5cm。白磁に青一色の染付で松竹梅が描かれていますが、一般的な松竹梅文とは異なり、松がひときわ大きく、主役のように強調されている点が大きな特徴です。

とりわけ興味深いのが、約200年前の箱に残された「志ゆんかん皿」という名称です。

「俊寛」といえば、平家物語に登場する俊寛僧都。鬼界ヶ島へ流された俊寛は、成経・康頼とともに赦免を待ちますが、赦免船に乗ることを許されたのは二人だけで、俊寛だけが島に取り残されます。この悲劇は能や浄瑠璃、歌舞伎などを通して広く知られ、江戸時代の人々にも親しまれた物語でした。

本品の「志ゆんかん」という箱書から、**大きく描かれた一本の松に、島にただ一人残された俊寛の姿を重ねた「見立て」**であった可能性も考えられます。
松・竹・梅という本来は三者一組の吉祥文様でありながら、松だけを際立たせる。その構図と「志ゆんかん」という名称との関係は、この器を単なる松竹梅文皿とは違ったものに見せています。
また、染付だけで表現された青と白の世界も印象的です。華やかな色絵とは異なり、余白を伴った青一色の景色には静けさがあり、「俊寛」という名称を意識して眺めると、孤島や海、取り残された人物を思わせるような寂寥感さえ感じられます。

さらに重要なのは、「文政十年」という年紀と「志ゆんかん皿」という器名が同じ古箱に記されていることです。
骨董の世界において「俊寛皿(または俊寛鉢)」と呼ばれる形状は、通常の膾(なます)皿よりも一回り大きく、少し深さがある形を指すことが多いです。

もし「俊寛」が平家物語・歌舞伎などの俊寛を意味するのであれば、これは吉祥文様である松竹梅を使いながら、その構図に物語を重ねた、江戸時代らしい**「見立て」「判じ物」「洒落」**の世界として読むことのできる一枚です。

器を見るだけでは分からない物語を、箱に記された「志ゆんかん皿」の五文字が200年後の私たちに伝えている――そこに、この品の文化史的な面白さがあります。

サイズ:幅18.5cm×高さ3.5㎝

コンディション:アンティークとして良好。割れ欠けはありません。確りしています。十分に使えます。
内、5枚に窯キズ(4枚は降りもの、一部釉薬の掛かっていない部分があります。1枚は降りもの、くっ付き跡があります。)
画像をご確認ください。

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